2014/10/01

右に倣え、無いほどに隣の芝生はただただ青い。

日をまたいでしまったので、10月、ですか。
早い、ホント月日の流れるのが早い。コレが年をとったってことですか?
あ、先日無事29歳を迎えました。
お祝いのメッセージくださったみなさま、ありがとうございます。
今年も一年、頑張ります。

20代最後の年なので、なにかハジけたいなー、と思いつつも
日々に忙殺されるのか、目の前のことを丁寧にしっかり。
遊びゴゴロを忘れずに。


一昨日身体障害のある方を含むインテグレイテッド・ダンス・カンパニーの
Work In Progressが無事終了しました。
ご来場頂いたみなさま、ご協力頂いたスタッフのみなさま、
芸術監督のたきさん、ユキオさん、プロデューサーの伊地知さん、
そしてカンパニーメンバーのみなさま、ありがとうございました!
色々考えさせられたり、悩まされたり、濃い楽しい時間でした。
まだまだ続きますが、ひとまずお疲れ様でした。
引き続きよろしくお願いいたします。


で、アフタートークやら打ち上げの席で出た印象的なことを備忘録的に。


もともとインテグレイテッド・ダンス(Physically integrated dance)というのは
ダンスのジャンル?みたいなもので障害の有る無し関係なしに
「人種的(宗教的)差別をしない」「統合された」ダンス、みたいです。

wikipediaにも書いてあった、英語だけど。
http://en.wikipedia.org/wiki/Physically_integrated_dance
なるほど、physically integratedというのだね、正確には。

ちょいと脱線しましたが、つまり身体の差異(=障害の有無)に関係なく
「統合された」カンパニーだということです、成り立ちでいえば。

でも実際にリハーサルやワークを続けている中で、
確かに身体の差異はあるけど、それって普段接するダンサー同士でも
感じるくらいの差異なのかもね、というような発見が。
もちろん気にしなくてはいけないことはいつもよりあるのかもしれないけど、
基本的にはいつも通りで大丈夫なんだ、ということ。

むしろダンサー同士だとコンテンポラリー・ダンスになると
バレエ出身の人もいれば舞踏出身の人もいるし、ストリートダンス出身も
演劇出身もいたり、美術出身の人もいたり。
どこにも属さないような人もいたりと多様過ぎる。
身体的な共通言語を見つけるのも大変だったりする。

だからこのインテグレイテッド・ダンス・カンパニーの「Integrated」は
もっと広い意味で「統合された」という意味なんじゃないか、という話。
正社員で働いていることや非正規雇用(アルバイト)で働いていること、
それにともなうリハーサルへの参加具合だったり、家庭の有る無しなどなど。
身体的な差異(=障害の有無)による懸念が大したこと無い、
とわかったがいつも通りに進められるわけではなく、
むしろ違う多様性が浮かび上がってくる。

ひょっとしたらこの浮かび上がってくる「多様性」というのは日本ならでは、
なのかもしれない。

インテグレイテッド・ダンス・カンパニーの代表格で知られる
英国の「Candoco」は、ちゃんと自分たちのスタジオを持っていて、
カンパニーダンサーたちに月給が払われ、助成金も潤沢、らしい。
多分ホント。
つまり、作品を作ることで生活が成り立つということ。

一方、悲しいことに日本でダンスで食べていくことは困難なことです。
大半の振付家・ダンサーは何かしらの仕事を掛け持ちしています。
仕事の種類もダンスに関係あるものから全く関係ないものまで。
それとは別にプライベートというか、いわゆる生活があります。
まさしく「多様」です。


なんだかそういった「多様性」が「統合された」カンパニーなんじゃない?
実は。


そうゆう捉え方はアリだな、と。
ただ単純に「身体の差異」の統合されたカンパニーよりも、
それらを含むもっと「複雑な多様性」が統合されたカンパニーであることで
また違った社会性を持つというか、観客にも共感し得る社会性を得る気が。
社会性を持つことが目標じゃないとは思いますけどね笑

今回のワークインプログレスを観てくださったカメラマンの森さんの言葉を
借りるのであれば、前者(身体的差異)をハード面、
後者(社会的差異)をソフト面。
ユキオさんの作品がハード面からのアプローチ、
たきさんの作品がソフト面からのアプローチ、だったのではないか、と。
今後どのような展開になっていくのかはわからないですけど、
打ち上げの席での話に繫がったり、面白い見方だなーと思いました。
でも別にハード面とソフト面が別物だというわけではなく、
むしろ繫がっているものなんだ、ってことがさらに面白い。
身体的差異(例えばそれは性別も含むだろうし)が社会的差異を生む、
こともあるだろうし、逆もあると思う。

言葉にまとめるのは難しいのですが、日本独自の「Integrated」ということに
注目してみたらなんか面白いんじゃないかなー、と思いました、
WIPを通して。
海外の文化的背景と比較してずーん、てなってしまうのではなくて
貧弱な文化的背景を逆手に取る、みたいな。
そうなるとコミュニティダンス的なのかもしれないですけど。
でもコミュニティダンスも舞台作品としてのダンスも
地続きみたいなものでしょ?

隣の芝生は青々してて、寝転がれるし、気持ち良さそうだよねー。
でもこっちは土剥き出しで水はけ悪いから芝生どころじゃないわけ。
だったら水田にして米作ったるわーッ!
こちとら農耕民族なんじゃーいッ!みたいな。


そんなこんなでWIPが一段落し、
次は年明け2月末の本公演に向け動き出します。
楽しみではありますが、正直不安な部分、大変な部分は多々あります。
そのへんはお察しください笑
頑張ります。

あ、ちなみにカンパニー名は「響-kyo-」に決まりました。
正式に決まったのですが、デデーンと発表する場も無かったので。
インテグレイテッド・ダンス・カンパニー「響-kyo-」です。
頭の片隅にでも覚えておいてください。


さて、そんなこんなで一段落。
なのですが、個人的にはコレからが修羅場。
なぜ修羅場かって?
そんなインテグレイテッド・ダンス・カンパニーの活動と並行して自主公演、
さらに再演があるからなのです。

うーん…考えると目眩がしそう…
だが、どれも譲れないもの。
身体に気をつけて頑張ります。

諸々の詳細は近日追ってご報告します。お楽しみに。