2016/10/04

職業ダンサーか、生業ダンサーか、生涯ダンサーか

金木犀も香り始め、ジャズが聴きたくなるような涼しい夜ですが
明日は30℃超えるそうですよ…地球が危ない!
…のかどうかはわかりませんが。

昨日無事じゅんじゅんSCIENCE「街角」終了しました。
ダンス公演が都内でだだ被りの中、公演に足を運んでくださった観客の皆様
ベルリン流おもてなしのためにご協力頂いた当日サポートの皆様
公演を陰ながら支えてくださったテクニカル、制作スタッフの皆様、
ダンサー制作兼業だったあさよさん、そして振付家のじゅんじゅんさん、
ありがとうございました。


今回作品にお誘い頂いて、是非参加したいと思ったのにはいくつか理由があります。

もちろんじゅんじゅんさんの作品が好きだというのもあるのですが、
十条にあるGallery&CafeFINDで何度かやっている「NOTE」という企画を
何度か観に行かせていただくことがありまして、
助成金や劇場といったものに頼らず、自前のもので作品を提供するということや
お酒とともに作品を楽しむというカジュアルさ、
ダンスというモノを難しく考えず、気軽に楽しむというスタンス、
そういったじゅんじゅんさんの公演をする、ということへの考え方に興味があり、
共感を覚えるところがありました。

またじゅんじゅんさんが働きながらダンスをしているということにも興味があり。
この春からサラリーマンとして働き始めたじゅんじゅんさん、
もちろんとても融通の利く職場のようですが、働きながら踊る、ということ。
免許制度もないし、舞台ダンス業界でそれだけで食べていけている人など一握り、
そんな日本のダンサー事情において、プロとはなにか。
結局のところ本人の意識の問題だとは個人的には思う部分もありながら、
やはり「プロ」ということで一般的に認めてもらうにはそれで生計を立てているかどうか。
そういった空気感の中、ダンスをやめていく人は多いと思います。
でもそんな空気に囚われることなく、ダンスに真摯に取り組み、
続けていく方法はあるんじゃないかな、という気もしていて。

そのようなことにも興味を持ちながら作品に臨ませてもらいました。


作品自体もとても楽しく、そして最近自分が思っていたダンスとダンス作品の違い、
ダンスの面白さとはなにか?ということに挑戦でき、とても良い経験でした。
前回の記事にも書きましたが、 ダンスの空っぽさを確認できました。

個人的に興味があるのは身体と、その身体が紡ぐ関係性や物語性なのですが
ともするとそうゆうことをやろうとすると感情論や精神論が強くなる感があり…
そうゆうものを押し出しすぎると感受性の有無だとか人間性の問題みたいなことに
なるような気がしていて。
もちろんダンスをしていく中で育まれる感受性や人間性というものはあるのですが
全てそこに帰結してしますと、うーん、となってしまう。
そうゆう感情とか情緒や質感というものはもちろんある、
けれどそれをもっとテクニックというか身体のこととして扱えたらな、と。

話はズレましたが、それとはまた違った視覚的な気持ちよさ、リズムの気持よさ、
動きの面白さというのはダンスの醍醐味であって、
それに今回確信を持てたのが良かったです。


さてさて、今回の公演を通して色々見えてきた感じ。
ダンス作品を作るのか、ダンスをするのか、それは東京なのか、
ダンサーとはなにか、劇場とはなにか…
どれも繫がっていることの様に思うし、すぐにあーだこーだできることではありませんが
色々考えながらやっていきたいと思います。
年内はとりあえずもう作品の予定もないのでのんびり修行しながら。